祭壇とお花

数年前、母の叔母が亡くなりました。
祖母の妹に当たる人でしたが、祖母とは年が離れており、私の母とは少し年の離れた姉妹のように育ったと以前から聞いていました。
もちろん私も幼い頃からかわいがってもらっており、よく家を行き来していました。
叔母が亡くなったと聞いた母はとても悲しがっていましたし、私もお世話になっていたことから、葬儀に母と一緒に参列させていただきました。
早めに葬儀場に行き、私は他の親戚に挨拶をしていたのですが、母が怒ってこちらにやってきました。
「どうしたの?」と声をかけると、葬儀費用を抑えるために花を飾らないと遺族が言っているというのです。
母は「おばちゃんがかわいそう」と半分泣いていました。
私も葬儀には何度も出ていますが、祭壇に花がなかったことはなかったので半信半疑で祭壇を見てみましたが、祭壇に花がなく、とても衝撃を受けました。

私たち親子は慌てて葬儀社の担当の所へ行き、花輪などのパンフレットを見せてもらいました。
同じ事を思った親戚もいたようで、遺族に進言した人もいたようです。
遺族はやっと事の重大さに気付き、慌てて花を注文し始めました。
葬儀社の担当者もほっとした表情をしていました。(中には宗教的に花を飾らない葬儀などもあるようですが、今回は費用を抑えるためでした)
生花店から花が届き始め、祭壇を飾りつけ始めると、先程まで見るのも切なかった祭壇がどんどん華やかになっていきました。
生花を飾るだけでこんなにも祭壇の印象が変わるのだと改めて実感しました。
母は遺族に対して余計な事を言ってしまったかと心配していましたが、最終的には遺族も「花を飾って良かった」「祭壇が華やかになった」と言っていました。
最近になって大切な故人を華やかに送る、生花の知識辞典を見た時に、やはりあの時ああしてよかったな、と思いました。